一つ目小僧とは
「江戸四谷の喜右衛門は、ある日麻布の古びた武家屋敷で出会った子供に何と言われたでしょう?」

ようかい博士
こんにちは。今日は 一つ目小僧という妖怪についてのお話をしますね。
はい、博士! 一つ目小僧っていう妖怪、目が一つなんですか?どんな妖怪なんですか?

知りたがりの子供

ようかい博士
そうですね。額の真ん中に目が一つだけある坊主頭の子供の姿をした妖怪なんですよ。
子供の姿をしているんですか??何か悪いことするんですか??

知りたがりの子供

ようかい博士
特に悪さはしないんですよ。でもイタズラ好きな妖怪なんですよ。
えーっ! どんなイタズラをするんだろう。。。。?他にも知りたいのでもっと詳しく教えてください。

知りたがりの子供
一つ目小僧
江戸四谷に喜右衛門という者が住んでいて、鶉(うずら)の行商をしていた。
ある日、麻布のとある古びた武家屋敷を通りかかると、屋敷から人が出てきて鶉を求めた。鶉を渡し、代金を受け取る間、喜右衛門は一室に通された。
部屋で待っていると、十歳ぐらいの子供が部屋にきて、床の間の掛け軸をくるくる巻き上げ、ばらりと落とす。それを何回も繰り返すので、その掛け軸が傷みやしないかと思い、 「これ、いたずらもほどほどにしなさい」
とたしなめた。すると子供は、
「だまっていよ」
といって顔を向けたが、何とそれは一つ目小僧だった。喜右衛門はショックで気を失い、そのまま倒れてしまった。やがて、気を取り戻して屋敷の者に話すと、「この春も、菓子箱の菓子を無断で食った者がいたので、何者かと問うと『だまっていよ』といって消えてしまいました」
と、屋敷では年に何回か同じ怪事があり、他に何も悪いことはしないが、かならず、「だまっていよ」というのだとのことだった。