塗壁(ぬりかべ)とは
柳田国男の『妖怪談義』によれば、「ぬりかべ」という妖怪が出現したとされる地域はどこでしょう?

ようかい博士
こんにちは。今回は塗壁という妖怪についてのお話をしますね。
はい、博士!塗壁っていう妖怪、すごく不思議なお話ですよね。

知りたがりの子供

ようかい博士
そうですね。特に人間に危害を加えるわけではないんですが、歩いていると急に前に進めなくなる時があり、それが塗壁だと言われているんだよ。
えっ、前に進めなくなったら塗壁なの?なんのためにするんですか?

知りたがりの子供

ようかい博士
それは正直よくわからないんですよ。いたずら好きなのかも知れませんね。
えーっ!もっと詳しく教えてください。

知りたがりの子供

塗壁
柳田國男の『妖怪談義』によると、筑前(現・福岡県)遠賀郡の海岸に「ぬりかべ」が出現したことがあるという。夜道を歩いていると、突然道が壁になり、どこにも行けなくなる。下は棒で払い落とせば消えるが、上は払い落とせばどうにもならない。
これと同じことが、第二次世界大戦中の南方で偶然に起こったのです。
思いがけず敵に襲われ、暗いジャングルの中を一人で進んでいたところ、ある時、前に進めなくなったのです。押してみるとコールタールが固まったもので、右を見ても左を見ても前に進めない。もちろん、真っ暗で何も見えない。前に進もうにも、まったく前に進めない。
途方に暮れた。座って休んでから、もう一度やってみた。不思議なことに、今度は問題なく前に進むことができた。どうやら、一服しておいて正解だったようだ。
「ぬりかべ」という妖怪は、気が動転したり、興奮したときに現れる妖怪らしい。
「ゲゲゲの鬼太郎」のぬりかべは、頼もしくて、やさしく、体の中に相手を塗り込めるという能力を持っていますが、平成以降の妖怪関連の文献には、ぬりかべは体の中に何でも塗り込めることができると説明するものもあります。