お歯黒べったりとは
お歯黒べったりが笑うとき、どんな姿を見せるでしょうか?
ようかい博士
こんにちは。 今回はお歯黒べったり(おはぐろべったり)という妖怪についてのお話をしますね。
はい、博士! お歯黒べったりっていう妖怪、歯が真っ黒な妖怪のお話ですか?
知りたがりの子供
ようかい博士
そうですね。昔の花嫁さんたちは歯を鉄漿で黒く染めていたんですよ。それを見た人たちは、お歯黒って呼んでたんです。
でもお歯黒べったりは 何をするんですか?
知りたがりの子供
ようかい博士
危害は加えないけど、人気のない神社や寺の通行人を脅かしたりするんだよ。
えーっ! 場所がめちゃめちゃ怖いところじゃないですか!怖さが増しますね。もっと詳しく教えてください。
知りたがりの子供
お歯黒べったり
昔、花嫁になる人の歯は鉄漿で黒く染められていた。その姿をみてお歯黒といったが、黒い歯をむき出しにして微笑む姿を想像すると、不気味すぎてそれだけで妖怪の範疇に入ってしまう。
言うまでもないが、お歯黒べったりは、夕闇迫る町はずれの人気のない神社、寺に出没する女の妖怪である。
美しい着物を着て、時には花嫁姿で現れるが、顔はいつも隠れている。通行人は親切心や好奇心から声をかける。
それを待っていたかのように振り返って顔を見せるが、つるりとしたのっぺら坊である。驚くと、白い顔の下部がぱっくりと開き、黒い歯を見せて笑う。目も鼻もなく、黒い歯だけである。
このお歯黒べったりはタヌキか、ムジナが化けただという説もあれば、黒い歯の女の執念が集まったようだという説もある。※ムジナはアナグマを指す
豆腐のように白い女性がお歯黒をつけて笑うとしたら(美人は別だが)、相当な迫力があったことだろう。
そう考えると、妖怪は当時の人々には相当な恐怖をもって迎えられたに違いないと想像する。