ジキトリとは
ジキトリとは何のことでしょうか?

ようかい博士
こんにちは。 ジキトリという妖怪についてのお話をしますね。
はい、博士! ジキトリっていう妖怪、なんの妖怪なんですか?

知りたがりの子供

ようかい博士
そうですね。人に取り憑いて食べ物を奪う妖怪なんですよ。
じゃー食べても食べても僕の栄養にならないじゃないですか。成長期で大事な時なのに困る妖怪ですね。

知りたがりの子供

ようかい博士
だから対策みたいなものちゃんとあるにはあるんですよ。
えーっ! 対策あるなら教えて欲しいです!!色々知りたいのでもっと詳しく教えてください。

知りたがりの子供
ジキトリ
民俗学者の柳田國男によれば、「ジキトリ」とは食取りのことだろう。つまり、人に取り憑いて食べ物(体内に蓄えられた栄養分など)を奪う魔物のことである。
愛媛県の宇和地方では、急に空腹を感じたり、手が動かなくなったり、山で歩きにくくなったりすると、「ジキトリに取り憑かれた」と言われる。
そんな時、米粒でも口に入れれば回復するという。そのため、この地方では遠出するときは弁当を完食せず、必ず米粒を数粒口に残すようにと言われている。
ジキトリは、あまり人が通らない山の中の寂しい場所に住み、空腹になると通行人の前に現れ取り憑くと信じられている。
また、ジキトリは山の神とも信じられており、山間部では山の神が空腹を感じないように、山で昼食を食べるときに一番箸で取った米粒を供える習慣があるところもある。
祟りとは自分の食べ物を奪われることだから、山の神が満腹になるのは当然である。このような信仰から、人々はジキトリが出没しそうな場所に石仏や祠を建て、神として祀るということをしている。